「文化人」と称せられる「文化」の領域の専門家の多くも亦、ある意味に於る非文化的存在たることを暴露する時が来たやうである。
すべては誰の罪でもなく、また誰をとがむべきでもない。われわれは、かゝる時代を背負ひ、忍耐をもつて生きぬくことが必要である。新しい日本の建設は、誰もが考へつかないやうな基礎の上に、着々と進められつゝあるのだと私は信じてゐる。
昭和十六年十一月
著者
底本:「岸田國士全集28」岩波書店
1992(平成4)年6月17日発行
底本の親本:「生活と文化」青山出版社
1941(昭和16)年12月20日発行
初出:「生活と文化」青山出版社
1941(昭和16)年12月20日発行
入力:門田裕志
校正:Juki
2010年12月8日作成
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