ちらちら光れ小い星、
あなたは何だろ小い星。
金剛石だおほ空の、
遠くて高いおほ空の。

真赤に燃えた陽が落ちて
光がみんなくなると
あなたは小さく光り出す、
そしてちらちら夜明けまで。

暗い闇ゆく旅びとは
あなたの光に礼をいふ。
もしもあなたが光らねば、
道に迷つて困るもの。

あなたは暗いお空から
カアテンの隙のぞいてる。
そしてよつぴて眠らない、
明日の朝が来るまでは、

あなたの光はちらちらと
夜の旅びと照すけど
あなたは何だろ、わからない。
ちらちら光れよ小い星。

底本:「日本児童文学大系 第二八巻」ほるぷ出版
   1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「チチノキ」
   1935(昭和10)年2月
初出:「チチノキ」
   1935(昭和10)年2月
入力:菅野朋子
校正:noriko saito
2011年1月8日作成
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