私は歩いた、歩きつづけた、歩きたかったから、いや歩かなければならなかったから、いやいや歩かずにはいられなかったから、歩いたのである、歩きつづけているのである。きのうも歩いた、きょうも歩いた、あすも歩かなければならない、あさってもまた。――
木の芽草の芽歩きつづける
はてもない旅のつくつくぼうし
けふはけふの道のたんぽぽさいた
□
どうしようもないワタシが歩いてをる
はてもない旅のつくつくぼうし
けふはけふの道のたんぽぽさいた
□
どうしようもないワタシが歩いてをる
(「春菜」層雲二百五十号記念集 昭和七年五月刊)