先便御こしの御文御哥など、甚おもしろく拝見仕候。私事ハ急用これあり、今日江戸へ参り申候間、其御被レ知かた/″\先日の御文御哥さしあげ申候。
○先日大和国ニてすこしゆくさのよふなる事これあり。其中に池蔵太、吉村虎太郎、平井のあいだがらの池田のをとをと、水通のをさとのぼふずなど、先日皆うちまけ候よし。
これらハみな/\しよふがわるいニつき、京よりうつてを諸藩へおふせつけられ候ものなり。皆どふもゆくさする事をしらず、唯ひとまけにまけ候よし、あハれ私がすこしさし引をもいたし候時ハ、まだ/\うつての勢ハひとかけ合セにて、打やぶり候ものをと、あわれに存申候。
先ハ早/\、頓首。
龍より
乙 様
春猪様
足下
猶かの柳のよふじのつがふの事ハをもわくいつふハいの所は川らづかまで申やり候。其文御らん/\。
底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
2003(平成15)年12月10日第1刷発行
2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本手紙写真のキャプションに、(高知 弘松家文書)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
※直筆の手紙の折り返しに合わせた改行は、省いて入力しました。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年11月11日作成
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