文学の分野では、窮局には、この感じがみんなの生活の変化につれて愈々実感されて来て、文学も動いてゆくのだろうかと思います。文学の様式或は場面の模索から一歩深いところで文学が生まれて来る動因になるのではないだろうかと思います。勿論時間と忍耐の要されることです。
〔一九四一年七月〕
底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社
1981(昭和56)年3月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「改造」
1941(昭和16)年7月時局版
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月15日作成
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