あらすじ
「侏儒の言葉」は、芥川龍之介自身の思想を直接的に伝える作品ではありません。むしろ、その思想の移り変わりを、時折垣間見ることができるものなのです。一本の草よりも一筋の蔓草、それが幾筋にも伸びているように、彼の思想も複雑に絡み合いながら変化していく様子が、この作品から伺えるでしょう。
「侏儒の言葉」は必しもわたしの思想を傳へるものではない。唯わたしの思想の變化を時々窺はせるのに過ぎぬものである。一本の草よりも一すぢの蔓草つるくさ、――しかもその蔓草は幾すぢも蔓を伸ばしてゐるかも知れない。
芥川龍之介

底本:「芥川龍之介全集 第九卷」岩波書店
   1978(昭和53)年4月24日初版発行
   1983(昭和58)年1月20日第2刷発行
初出:「侏儒の言葉」文藝春秋社出版部
   1927(昭和2)年12月6日初版発行
入力:高柳典子
校正:多羅尾伴内
2003年6月29日作成
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