メーデーのデモには、各工場が自分たちの音楽団を先頭に立て、勇ましい行進曲とともにやって来る。見事な、胸のすく思いです。音楽サークルの種類は合唱、ハーモニカ、ギター、ブラスバンドなどが多い。管絃楽は少ない。ヴァイオリン、セロと云う様なごく長い習練のいるものはどうしてもサークルにはより少くとり入れられるわけです。
ピオニェールはピオニェールで又自分たちの楽隊を持っている。われわれも一日も早く自分たちの音楽によってメーデーのデモをやりたいものだ。
〔一九三二年三月〕
底本:「宮本百合子全集 第九巻」新日本出版社
1980(昭和55)年9月20日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「音楽新聞」
1932(昭和7)年3月28日号外
入力:柴田卓治
校正:米田進
2002年10月28日作成
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