安西君。僕には亞の詩壇的な回顧は出來ません。僕はただ、表紙に魚が四匹、甲板におかれてある龕燈の燈が消えてしまつた寂寥をあなたに告げるばかりです。
(昭和二年十二月)
底本:「梶井基次郎全集 第一卷」筑摩書房
1999(平成11)年11月10日初版第1刷発行
初出:「亞」第三十五(終刊)号
1927(昭和2)年12月1日発兌
入力:土屋隆
校正:高柳典子
2005年5月5日作成
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