私は元来学究の徒でありまして、研究室以外の世の中をあまり見ておりませんですから、私の作品には研究室のにおいが濃厚につきまとっております。けれども、それが一方において私の作品の特色ともなっていると思います。本集には、私の最も力を注いだ探偵小説を集めました。
 集中の「少年科学探偵小説」は、少年諸君のために書かれたものでありますけれど、大人の方々にもきっとお気に入るだろうと信じます。
 ひとえにご愛読あらんことを願います。
(『現代大衆文学全集』第七巻、平凡社、一九二八年三月、所収)

底本:「小酒井不木探偵小説選 〔論創ミステリ叢書8〕」論創社
   2004(平成16)年7月25日初版第1刷発行
初出:「現代大衆文学全集 第七巻」平凡社
   1928(昭和3)年3月
入力:川山隆
校正:門田裕志
2010年8月12日作成
2011年4月30日修正
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