あらすじ
タローさんとハルコさんは、オニンギヤウ、メリーサン、ウサギのピヨンコサン、イヌのジヨンクン、クマのトムクン、ヘイタイのジムクン、そしてキユーピーサンと一緒に、リヨカウへ行くことになりました。汽車に乗り、海を渡り、飛行機に乗って、様々な場所を冒険するのですが、トムクンがいたずらをしすぎて、大変な事態に!果たして彼らは無事に家に帰ることができるのでしょうか。メリーサン ト、
ウサギ ノ
ピヨンコサン ト、
イヌ ノ
ジヨンクン ト、
クマ ノ トムクン ト
ヘイタイ ノ ジムクン ト、
ソレニ キユーピーサン ト、
ミンナデ ソウダンシテ
タローサン ト ハルコサンニ
ワタシタチモ リヨカウ ニ
ツレテ イッテ クダサイト
オネダリヲ シマシタ。
ソコデ
ソレデハ ユカウト
オホイソギデ
シタクシテ、
ジドウシヤニ
ノリマシタ。
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ミンナハ
オホヨロコビデス。
ギンザヲトホルト、クマノ トム
クント メリーサンハ
ココハ ボクシッテヰル
アタシモ シッテルワト
オホキナコヱヲ
ダシマシタ。
トムモ メリーサンモ
モトハ ギンザノ
オミセデ カッテイタダイタ
ノデス。
テイシヤバヘ ツキマシタ、
キップヲ
カイマシヨウ。
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ピイ……ト
フヱヲ ナラシテ、
シロイ ケムリヲ
ダシタリ、
クロイ ケムリヲ
ハイタリ、
テッキヨウヲ ワタッテ、
トンネルヲ ヌケテ、
マタトンネルヘ ハイッテ、
ドンドン ハシッテ ユキマス。
デンシンバシラヤ、
ハタケヤ、モリヤ、
イナカヤヤ、
ケシキガ ドンドン
ウシロヘ ハシッテユキマス。
ユクワイ。ユクワイ。
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キシヤヲ オリルト
コンドハ
ミナトユキノ
デンシヤニ
ノリマシタ。
ウミガ ミヱルト
ミンナ
オホヨロコビデス。
クマノ トムト
イヌノ ジヨンハ
アマリヨロコンデ、
トンダリ
ハネタリシテ、
タローサンニ
シカラレマシタ。
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オフネニ
ノリマシタ、
ミンナハ
ハジメテ ウミヲ
ミタノデ、
ヒロイノニ
ビックリ
シマシタ。
カゼガ ホヲ
フクラシテ、
フネハ ナミヲ
タテテ
ハシリマス。
トムクンガ
アンマリ
サワグノデ、
マタタロー
サンニ
シカラレ
マシタ、ガ
マタ スグ
ウレシクテ
タマラナイ
ノデ
サワ
ギ
ダシマス。
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トウ トウ
トムガ
オホキナ
カラダデ、
アンマリ
アバレタ
ノデ、
フネガ
ヒックリ
カヘッテ、
シマイ
マシタ。
サァ タイ
ヘンデス、
ミンナ
アプ‥アプ‥
アプ
ブク‥ブク
ブク
タスケテ
クレ。
トムクン、
イマサラ
タイヘンナ
コトヲ
シタト
オモッテモ、
モウ マニ
アヒマセン。
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ヤット シマ ヘ オヨギ ツキマシタ。
トムハ ミンナニ アヤマリマシタ。
ヘイタイノ ジムハ テッポウデ ウツト オコリマシタ。
サァ コレカラドウシテ オウチヘ カヘロウカト、
ミンナハ シクシク ナキダシマシタ。
ジムハ ヤット ガマンシテヰマシタ。
タローサンハ モシモ トチウデ、コマルコトガデキ、
タラト、バスケツトノナカヘ デンシヨバトヲ
イレテキマシタノデ、テガミヲツケテ、ハ
ナシマシタ。
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マモナク
ブルル……ト
イサマシイ オトヲ
タテテ
アカイヒカウキ ガ
タスケニ
ヤッテキマシタ。
バンザァイ。
バンザァイ。
ミンナハ トテモ
ヨロコビマシタ。
ヒカウキニ ノッテ、
ウミノ ウヘヤ
ヤマノ ウヘヤ
モリノ ウヘヤ
マチノ ウヘヲ トンデ、
レンペイジヨウヘ オリマシタ。
オウチカラ
バシヤガ オムカヘニ
キテヰマシタ。
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ソコデ オバシヤニノッテ、
オウチヘ カヘッテ キマシタ。
オトウサンモ オカアサンモ
オゲンクワンノ トコロデ、
マッテ オイデニナリマシタ。
オトウサン オカアサン
タダイマト、
タローサンモ
ハルコサンモ
トンデ
ユキマシタ。
「オホキナ コヱデ
ナニヲ ネゴトヲ
イッテルノ」ト
オカアサンニ
オコサレテ、
ハジメテ ユメダッタ ト
ワカリマシタ。
(ヲハリ)
了
底本:「思い出の名作絵本 岡本帰一」河出書房新社
2001(平成13)年8月30日初版発行
初出:「ユメノリヨカウ」コドモヱホンブンコ、誠文堂
1928(昭和3)年9月5日発行
※絵本ですが、文のみ収録しました。
入力:川山隆
校正:鈴木厚司
2008年8月28日作成
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