早春の夕暮だつた。郊外の小ぢんまりした路角みちかどの家の茶の間で、赤ん坊はうつら/\かゝつてゐる。二十一になる細君は、ソツと用心深く取上げて、静かな二階に眠かさうと、階子段はしごだんを上つて行つた。いつも細君は、この夕方の寝かしつける役目を、実家から女中払底の手助けに来てゐるAさんといふ若い看護婦さんに頼んで、自分は料理方にまはるのだが、今夜はAさんに、何か国にてて書くべき急な手紙の用事のあることを見てとつたので、臨時に受持を替へたのである。――Aさんは、「相済みません」と云つて、玩具おもちや襁褓むつきを手早く片づけた後、一閑張いつかんばりの上でしきりと筆を走らせはじめた。時々何か印刷した紙を参考にしてゐる様子だつた。
 いかにも春浅い夕方である。刻々に暮れて行く庭からは、農学校で買つたシクラメンの匂が漂つてゐる。さなきだに暗いほど濃い紅梅の花弁はなびらは、もう容易たやすやみに溶けはじめてゐる。二階からは細君のうたふ子守唄が、まだ歌ひ手にそぐはぬ節廻しで聞えてゐた。それはどこか、女学校の窓から往来に漏れて来るやうな、ドレミファ、一二三と拍子のとれさうな唱歌臭いものだつた。
 子供はぢきに眠入つた。細君はトン/\と降りて来た。Aさんは筆を早め、急いで封に納めて立ち上つた。それから二人がゝりの仕度したくがひとしきりあつて、やがて夕飯が卓にならべられた。
 画室で静物を描いてゐた主人の一蔵が、食事の気配けはひを習慣で感じて、ノツソリ入つて来た。
「寝たかね。」
「えゝ、やつと。」細君は両肩をぐつと下ろすやうな仕草をした。「これからがやつと、わたしの時間ね。」
「お疲れでしたでせう。相済みませんでした。」夫婦から一寸ちよつと離れた据膳すゑぜんはしをとつたAさんが、まゆを寄せて見せた。
「いゝえ。あなたこそ毎日々々のおもりで、本当に大変ですわ。でもあなたがけに来て下さつたので、本当に大助かりよ。」
 Aさんはもと/\赤十字社の看護婦さんだつた。それが二年前、細君の母親にあたる医師の未亡人が、長くわづらつて入院した折に附添になつたのが縁で、未亡人からすつかり頼りに思はれて、退院のあとも是非にとその大森の家に連れ帰られたのである。Aさんは其処そこで、病身な未亡人の様子を見る他、手紙や買物の代理をしたり、女中の世話をしたりして、今では家になくては困る人になつてしまつてゐたのである。
 ――食卓の下で、主人のひざにゴソ/\さはるものがあつた。取り上げて見ると、「早稲田工手学校規則書」と刷つてある紙だつた。Aさんが置き忘れた物だ。
だれか工手学校に入るんですか。」主人は拡げて見ながら、たづねた。
「ハア。弟が入ります。」
「ぢやあAさんは、東京にも弟さんがおいでなの。」細君が口を出した。
「いえ、まだ国に居るのでございますけれど……早く東京に出たくて、ヤイ/\云つて参ります。父がそれには反対なものですから私にばかり云ひ度い事を云つて困つてしまひます。」Aさんはしかし言葉の裏に、弟に対する感情を現はしながら、そんな事を云つた。「その弟ではこのお正月、本当にいゝ心配をいたしました。」
「まあ、どんな事?」細君が子供じみた好奇心で尋ねた。

 Aさんの話によると、それはこの正月、前橋在の郷里に屠蘇とそを祝ひに帰つてゐた時の事である。遊べるだけは遊び、松もとれたので、大森の家の不自由を気遣きづかひながら、上京の日を電報で知らせた。愈々いよ/\その日、荷作りしてゐると、十七になる弟さんが、外に帽子をかぶつて廻つてゐる。前橋の公会堂まで講演を聴きに出るから、送つて行かうと云ふ。それは大勢の同胞きやうだいぢゆうでも、一番Aさんと顔立の似た、気の合ふ弟さんだつた。姉弟は乗合馬車に乗つて、霜枯の桑畑が両側にいつまでも続き、上州の山々が白く見える街道を、二里ばかり前橋に出た。そして駅前の分れ道で立ち止つた時――Aさんは驚いた。
「私と一所に東京へ出る気で、附いて来たのでございますよ。停車場がもうすぐ向ふに見えるといふ場所で、急にそんな事を云ひ出されて、わたくし途方に暮れてしまひました。こんな小さな、」とAさんは手で大きさを示しながら、「風呂敷のなかに、寝間着と歯磨楊子はみがきやうじを入れて、チヤンとかゝへてゐるのでございますよ。」
「まあ。」細君は語尾を引いて驚いた。「そしてあなた、どうなさつて?」
「父は大変頑固者ぐわんこものですし、母は又無暗むやみと心配性なものですから――こんな真似まねをしたらお前、お父さんにそれこそ勘当されるよつて、わざときつく云つてやりましたが、一向がございません。構はない、苦学するんだ、なぞと申します。しまひには弟は癇癪かんしやくを起して、往来で泣き出しますし、私も心配やら可哀想かはいさうやらで、それに釣り込まれてしまひまして……」
 少し云ひ過ぎたのではないか、といふ赤い顔をして、Aさんは二人を見た。だが細君はすぐに引き取つて、
「まあ、なか/\可愛かはいい弟さんね。」と感嘆して見せた。
「――それでも結局は、汽車は出てしまひますし、私があんまり途方に暮れて居ますので、段々気の毒になつたのでございませう。今日は一旦家に帰るから、その代り二月中にはきつと東京に出られるやうにしてくれ、こんな事を申しまして、やつと別れました。汽車に乗つてから、私も妙に疲れてしまつて、上野までんやりして参りました。大森の御隠居様が大変心配なさつて、電報で弟の様子を訊ねたりして下さいました。無事、といふ返事で、やれ/\と安心致しました。」
「しかしそりあ、早くどうにかしてあげたらいゝでせう。」主人が真顔で云つた。
「本当にさうよ。Aさん。もう二月中だなんて、過ぎてしまつたぢやないの。」
「はい。」Aさんはうれしさうだつた。「弟からも約束が違ふつて、厳重に云つて参りますの。それでもやつと父は納得させましたし、大森のお宅でも当分置いて下さるやうにおつしやつて下さいますし――今夜この手紙を出しましたら、さぞ喜びませう。」
 主人は暖い飯で満腹にもなつて、上機嫌じやうきげんだつた。Aさんと弟との関係の、妙にすつきりとうかゞはれるその話で、胸に何か生き/\と動くものを受けた。が、昼間一杯の仕事のあとで、彼はもつと何か休息するにいゝ、呑気のんきな対象物が欲しかつた。
「夕刊は来てゐないかしら。」卓の端に足を投げ出しながら、主人は思ひ出してかう云つた。
「ハイ。見て参りませう。」食器を集めてゐたAさんがまめ/\しく台所へ出て行つた。そして戸外の闇のなかで、郵便箱をさぐる音がした。
「参つて居ります。おや。X―新聞が一所に入つて居りますわ。」
「他の家と間違へたのかな。」
 こんなわけで、冬の終る平穏無事な家の、いかにもその時刻にふさはしく、夕刊のペーヂを開く音が起つた。

 ところがあくる朝、露のおりてゐる郵便箱を主人が開けて見ると、最先まつさきに出たのがX―新聞だつた。夕方もさうである。そして翌朝も翌夕もその通り。
「こりあ間違ぢや、ないらしいな。」主人が気付いて云つた。
「押し売りかも知れないわ。ね、Aさん。」
左様さうかも知れません。この頃かういふ事が流行ださうですから。」
 Aさんは女世帯などの玄関に、よく小新聞の売子がいくら断つても新聞を投げ込んで行く話を、二人に聞かせた。叔母さんの家でそれをられたといふ。
「では今のうちに一つ、がみでもするか。」
 その夕方から、「X―新聞お断り」と、洋画家らしい字で書かれた貼り紙が、閑静な門の板戸に出る事になつた。
 しかし翌る朝になると、断つたはずのX―新聞が又もや精勤して、箱のなかに納まつてゐる。調べて見ると、貼り紙は影も形もない。又主人が貼りつける。すると翌朝はまた、それが綺麗きれいにめくり取られて、X―新聞は威勢よく、お早やうをやつてゐる。
 主人はAさんの注意を思ひ出した。今度は此方こつちも意地になつて、菓子折で作つた札に、「X―新聞固く御断り申候まうしさふらふ」と油絵具でしたゝめ、それをくぎづけにした。しかし一夜が明ければX―新聞は依然として朝まだきの郵便箱を訪問に来るし、木札は※(「てへん+宛」、第3水準1-84-80)ぎとられ、釘は易々やす/\と曲げられ、へいには無惨な穴が開いてゐた。
 主人は癇癪を起した。「一体何者だらう。」かう彼は考へた。頑固者の老人か、不良学生か。彼は一寸相手の正体の分らない不気味さを感じた。
「向ふでも意地になつてゐるのですから、断り書きなんて駄目の皮よ。放つて置いたら、返つてつまらながるでせう。」
 細君が真つ先きに降参した。内心癇癪を起してゐる主人も、それに同意するより仕方なかつた。向ふは新聞を配る事が職業であるし、此方はそれを防禦ばうぎよする事は職業ではない。結局その日から貼り札は中止した。
 するとX―新聞は愈々交際が許されたと云ふやうな態度で、毎日公然と、どの新聞よりも勉強して配達されて来る。どうも残念だ。
 若い洋画家によくある型のとほり、がたで神経質な主人は、元来このX―新聞をあまり好かなかつた。それは妙に刺戟しげき的な標題で人目をきつける小新聞だつた。さはやかな写生日和びよりの朝なぞにこのX―の紙面をつい開くと、芸術的な霊感とはおよそ反対な空気がムツと顔を突いて来る。かういふ新聞を、受け身の悲しさで通読してゐる形になつてゐる事は、考へるとどうもいま/\しい。彼は次第にX―を手に取つて見ないやうになつた。Aさんもそれを心得て、配達されて来てもそのまゝ茶の間の戸棚のなかに積んで置くやうになつた。
「今度一つ、はふり込んで行くところを、うまくつかまへようかな。」
「そんな事、かなふもんですか。」未だ正体を誰にも見せぬ敏捷びんせふさに、細君はむしろ感服しはじめてゐる様子だつた。だが主人の方もさすがに、それを忠実に実行するほどの根気はなかつた。

 春が陽気に近づくのだ。
 必要な手紙が二三度往復された後、Aさんの弟は上京してしばらく大森の家で世話になる事になつた。試験準備に適した教師を捜してゐるとか。Aさんはまだ一蔵の家で手伝ひをしてゐたが、その話が出ると目に見えて快活だつた。
 主人は静物をどうやら仕上げ、新らたに二階から往来を見おろした、「窓外早春」といふやうな風の画材に取りかゝつた。光線の工合で、それは昼過ぎの二三時間が好かつた。
 美しい薄日の午後が来て、彼は思はず四時過ぎまで仕事を続けた。一蔵は絵筆を置き、椅子いすの上で大きく伸びをして、煙草たばこの煙を戸外に吐いた。
 日が傾き、外気が冷えて来た。彼はこの郊外の生活を実に愛するのだ。小住宅の影を長々と引いた原を横切つて、犬を連れた牛乳車が小さくわだちをきしらせて行く。
 彼はそれをながめてゐるうちに、ふと夕刊配達の事を思ひ出した。今頃だな。さう気が付いたのである。彼は少しソハ/\し出した。今日こそ一つ正体を捕まへてやらう。かう考へた。悪戯気いたづらぎのまじつた好奇心が、押へ切れず起つて来た。一蔵はいつものやうにぐに階下には降りず、新刊の小説を取り出して来て、窓際まどぎはで読みはじめた。
 散らばつた新築の借家が、板目に残りの日をうけて赤々とえてゐる。それを取り囲んで方々の生垣いけがき檜葉ひばが、地味な浅緑でつとかたまつてゐる。この取り合はせは彼が現に愛着してゐる、春のこゝろの感ぜられる、静かな画材だつた。そして夕暗ゆふやみがやがてそれを包むのである。
 ――景色の爽やかさと雑誌の小説の筋の面白さとで、思はず呑気のんきになつてゐた主人は、ふと我にかへつた。眼の下の生垣を見え隠れに、黒い帽子がスツと軽快に通り過ぎた。同時に郵便箱には、置土産おきみやげの新聞の音が素早く起つた。
 主人は椅子から飛び上つた。彼は自分の油断を自覚した。計画の齟齬そごを知つた。彼はムカ/\とした。
 黒い帽子はさういふ彼を揶揄やゆするやうに、路角まで走つてゐる。もう追ひつかない。「どうしてくれよう。」主人はいら立つて窓からそれを見送つてゐた。だがその時、彼は曲折した路の遠方に、買出しの包みを抱へたAさんを認めた。
「おーい。」Aさんは主人の大声に驚いて立止つた。「そこへX―の配達が行くから、捕まへてくれ!」かう云つて、自分の不手際の面白くない彼は不機嫌な顔をして絵道具を片附けに画室に降りてしまつた。
 Aさんはなか/\帰つて来ない。意味が通じない振りをして、逃げられたかも知れない。それよりも、Aさんの事だから、反対に遣り込められてゐるかも知れない。――主人はあんな事を、柔和おとなしいAさんに頼んだのを後悔しはじめた。彼は下駄を突つかけて、未見の男目がけて緊張して歩いて行つた。
 ……二つほど路角を曲つた時、彼は意外なものを見た。三四間先きで、学生帽に絆纏着はんてんぎといふ風采ふうさいの小柄な中学生が、Aさんを見上げてキヨトンと立つてゐる。Aさんはと見ると、此方に背を向けて、板塀にりかゝりながら、小石を下駄でつたりしてゐる。二人は何か親しげに、しきりと話込んでゐるのだ。一蔵は気抜けした。
「……僕はよく知らないんですが」少年特有の澄んだ声が聞えた。「学校の庶務課へおいでになれば、さういふ事はすつかり教へてくれます。早稲田の終点からきです。」
「さう? どうもありがたう。」
 そんな事を云つてゐる。X―の談判ではないらしい。だが主人は中学生の言葉で、その帽子の徽章きしやうをチラと見た。稲の輪のなかに「早工」と記してある。早稲田の工手学校の生徒だ。
 主人は何だか話がわかつたやうな気がした。彼は、二人きりで話し合つてゐる恋人同士の邪魔をしたかのやうに躊躇ちうちよした。自分の異分子な事を感じた。引返さうと考へた。だが、砂利が正直に物音を立てた。
「まア。」Aさんは赤い顔して会釈した。「一寸物を訊ねてゐたものですから……」
 中学生の方は、これは又一層赤面して、固くなつてしまつた。それは小さな眼のキヨトンとした、そばかすのある、顔色のよくない少年だつた。一種醜い可愛らしさをそなへた小動物が無邪気に生きてゐる。さういふ聯想を起させる顔立ちだつた。そばかすのヒドいのは、両親のどちらかがさういふ皮膚をしてゐるのであらうか。この少年はそれを素直に受け継いでゐるのである。身体に合つてゐない大人の絆纏を着た様子も、かへつて少年を少年らしく見せてゐた。かういふ少年が彼を見ると、巡査を見たやうに赤面したのである。主人は、その二人と自分との間にみぞを感じた。そしてAさんと中学生との間柄をうらやむやうな気持になつた。
「この人が丁度工手学校の生徒なものですから、」とAさんは工合わるさを和らげる役目に立つた人のやうにさばけて説明した。「丁度よい折と思ひまして、少し試験の事を尋ねて居りました。……でも学生さん。X―はもう本当に沢山よ。うちではあゝいふ新聞は好きませんから。」
 中学生の配達夫は、主人の前で云はれたので、すつかり恐縮して頭をいた。赤面すると、そばかすが一層目立つのだ。主人は笑ひ出した。声を立てて笑つた。Aさんの取りなしで、自分の惹き起した事柄がうまく滑稽こつけいな出来事に変へてもらへたのが楽しかつた。
「大体、これは、取次店の方で、押売するやうに云ひ附けでもするのかい。文芸欄のある新聞なら、もう一つぐらゐ取つてもいゝよ。」彼はこんな事をどもりながら云つた。
「ハツ、どうも有り難たう。いづれお願ひ致します。」
 配達夫は、御用聞の小僧のやうなせた口調で、勢よく云つた後、逃げ出すやうに垣つゞきの路をけて行つた。
 主人は散歩がてら別な路から戻つた。彼の頭は、Aさんと中学生との思ひがけない美しい対照で、イキ/\とはたらいてゐた。夕焼のあかね色が空の高みに残り、白いもやが道の前方をつて来る、その空気に包まれると、彼は何だか平和だつた。生きてゐて、いろ/\の物事を感じて、かうやつて歩いてゐる自身を、しんみりその空気のなかに振り返つてゐた。

 ……さて路角の彼の家では、赤坊は眠つて二階につれて行かれた。門燈には明りがき、すべて晩方になつた。例のやうに仕度がひとしきりあつた後、三人が電燈の下で晩餐ばんさんを取り囲んだ。だがAさんは食事の間、先刻の事を細君には少しも云ひ出さずに箸を動かしてゐた。主人はさういふAさんを、何度か注視した。――弟に対する自分の愛情をはにかんでゐるのだ。
 やがて、細君と差向ひになつた時、彼は配達夫との顛末てんまつを、滑稽じみた調子で話した。
「だから云はない事ぢやあ、ないのよ。」
 細君はくどく彼の性急を責めた。しかし主人はむしろ、それを心に求めてゐたのである。彼は細君の口出しを怒りもせず上機嫌で聞いてゐた。つまり細君の手際でもつて、先刻来何となく落ち着かずにゐた主人の気持が、次第にいつもの無事な状態に戻されたのである。
「あゝ、驚いたよ。あの子供が此の間ぢゆう、あんなに攻勢に出て来たやつとは知らなかつたなあ。」彼は思ひ出して、「アハヽ」とくつろいで笑つた。

 しばらつた。女中が富山県から来て、Aさんは大森に帰つた。すつかり暖かくなつた午後、一蔵がスケッチブックを持ちながら訪問に出かけると、Aさんの弟は門内の満開の桃の蔭で、未亡人の末の息子とシャツの姿で球投たまなげをしてゐた。それを眺める彼自身も、此の間うちより下着を一枚減らしてゐて、身軽だつた。その時、ぬかるみの土の光つてゐる台所口から、
「K! もう復習の時間だよ。」
 かう注意してゐるAさんの声が聞えてゐた。
(大正十二年一月)

底本:「現代日本文學大系 62」筑摩書房
   1973(昭和48)年4月24日初版第1刷発行
   1987(昭和62)年9月15日初版第12刷発行
初出:「新潮」
   1923(大正12)年1月
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2010年12月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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