あらすじ
山田博士は、白髪をなびかせながら書き物を終え、家路へ向かう途中でした。川の土手には、春めいた風が吹き、木々には若葉が芽吹いています。博士の心を満たすのは、自然の息吹と、静かな喜びです。書いだき帰り往くころ
かはたれはしづに這ひ来て
ふくよかに木の芽ほごるゝ
鳥飛びて気圧を高み
守衛長〔以下未完〕
ぎごちなき独乙冠詞を
青々となげく窓あり
了
底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
※「〔以下未完〕」は、底本編集時の注記です。
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
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