あらすじ
人々は、長年の干ばつにより食糧難に苦しんでいます。そんな中、主人公は、人々を救うため、壮大な遊園地を作ることを決意します。その遊園地は、人々に希望と喜びを与えるだけでなく、未来への希望を象徴する場所となるのです。しかし、遊園地建設には多くの困難が待ち受けており、主人公はそれを乗り越えることができるのでしょうか。
歳は世紀に曾つて見ぬ
石竹いろと湿潤と
人は三年のひでりゆゑ
食むべき糧もなしといふ

稲かの青き槍の葉は
多く倒れてまた起たず
六条さては四角なる
麦はかじろく空穂しぬ

このとききみは千万の
人の糧もてかの原に
亜鉛のいらか丹を塗りて
いでゆの町をなすといふ

この代あらば野はもつて
千年の計をなすべきに
徒衣ぜい食のやかららに
賤舞の園を供すとか

底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
   1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。