あらすじ
郡属伊原忠右エ門は、ゴムの靴を履き、冬の芝生を駆け抜けます。彼は南に流れる綿雲に雨量計を捧げ、天狗巣病のような、何かしらの深刻な問題を抱えているようです。しかし、その問題が具体的にどのようなものであるのかは明らかになっていません。彼の心は、深く悩んでいるように感じられます。
郡属伊原忠右エ門
科頭にゴムの靴はきて
冬の芝生をうちよぎり

南ちゞれし綿雲に
雨量計をぞさゝげたる

天狗巣病にはあらねども
あまりにしげきこずゑかな

底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
   1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
※〔〕付きの表題は、底本編集時におぎなわれたものです。
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
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