あらすじ
厳しい自然の中で、開墾に励む「私」は、愛する「君」との未来を夢見ています。日が暮れ、西の空が黄ばんでいく中で、静かに「君」への思いを募らせていく「私」。「君」がいなければ、この開墾は意味がないと、心は焦がれるように熱くなります。しかし、「君」は「私」のもとにはいません。それでも「私」は、開墾を続け、いつか「君」と喜びを分かち合える日を待ち望んでいます。樹液はしづにかはたれぬ
あゝこの夕つゝましく
きみと祈らばよからんを
きみきたらずばわが成さん
この園つひにむなしけん
西天黄ばみにごれるに
雲の黒闇の見もあへず
了
底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。