あらすじ
春の息吹が感じられる日、人々は草の峠を越え、御堂へと向かいます。そこには、毘沙門像が祀られており、人々は味噌を供え、神聖な時を過ごします。しかし、どこか不穏な空気も漂い、天の邪鬼の叫び声が響き渡る様子が描かれています。人々の信仰と、自然の力、そして未知なる存在が交錯する、幻想的な物語です。
アナロナビクナビ睡たく桐咲きて
峡に瘧のやまひつたはる

ナビクナビアリナリ赤き幡もちて
草の峠を越ゆる母たち

ナリトナリアナロ御堂のうすあかり
毘沙門像に味噌たてまつる

アナロナビクナビ踏まるゝ天の邪鬼
四方につゝどり鳴きどよむなり

底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
   1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
※〔〕付きの表題は、底本編集時におぎなわれたものです。
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
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