あらすじ
夜、炭焼き小屋で働く男は、谷から聞こえる慈悲心鳥の鳴き声に、深い悲しみを感じます。炭焼きの作業を終え、燃え盛る炎を見つめながら、男は自分の過去や未来について考えます。そして、夜明けが近づき、東の空が茜色に染まっていくのを見つめます。
もろの崖より たゆみなく
朽ち石まろぶ 黒夜谷
鳴きどよもせば 慈悲心鳥じふいち
われにはつらき 睡りかな

榾組み直し ものおもひ
ものうちおもひ 榾組みて
はやくも東 谷のはて
雲にも朱の 色立ちぬ

底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
   1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
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