あらすじ
夕暮れ時、東の山々の上に満月が昇り始めます。静寂の中、薄暗がりを照らし出す月明かりは、まるで道が醸し出す光のよう。道行く人々は、夏の草山を後にし、それぞれの家へと帰っていく様子を、静かに見守るように、ススキの葉が露を落とします。
このみちの醸すがごとく
粟葉などひかりいでしは
ひがしなる山彙の上に
黄なる月いざよへるなり

夏の草山とになひて
やうやくに人ら帰るを
なにをかもわがかなしまん
すゝきの葉露をおとせり

底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
   1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
※〔〕付きの表題は、底本編集時におぎなわれたものです。
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
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