あらすじ
雪深い坂の上に、粗末な板で作られたゴシック様式の建物があります。そこには写真師が住んでおり、厳しい寒さの中でも撮影に励んでいます。雪が激しく降る中、橇を引く人々の声が響き渡り、ガラス屋根に光が反射する様子は、静寂の中に生命力を感じさせる、幻想的な光景です。
雪とひのきの坂上に
粗き板もてゴシックを
辛く畳みて写真師の
聖のねぐらを営みぬ

ぼたと名づくる雪ふりて
いましめさけぶ橇のこら
よきデュイエットうちふるひ
ひかりて暮るゝガラス屋根

底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房
   1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行
※〔〕付きの表題は、底本編集時におぎなわれたものです。
入力:junk
校正:土屋隆
2011年5月14日作成
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