あらすじ
激動の時代、労働者は過酷な労働環境と社会の矛盾に苦しめられていました。街は、搾取と抑圧で満たされ、爆発寸前の瓦斯タンクのようでした。そんな中、山上に集った同志たちは、新たな組織の確立を目指し、街を変えるための計画を練ります。彼らの熱い思いは、街に火をつけ、労働者を立ち上がらせるでしょう。やがて訪れる革命の日は、彼らの決意と行動によって、街の運命を大きく変えていくことになるのです。
同志等よ 素晴らしい眺めではないか
君達の胸はぶるぶると打ちふるえないか
脚下の街に林立する煙突と空を蔽う煤煙と
るるるるっと打ちふるえている工場の建築物
おお そして其処で搾りぬかれた仲間等が吹き荒ぶ産業合理化の嵐の前に怯え 恐れ 資本への無意識的な憤懣の血をたぎらせているのだ
街は鬱積した憤懣で瓦斯(ガス)タンクのようになっている
街は燐寸(マッチ)の一本で爆発へ導く事が出来るのだ
そして俺達は厳重なパイや工場の監守の目をかすめて山上に会合を持ち得たではないか
報告――討議――そして全協関東地協の確立へ
今憤懣の街へ点火する強力な燐寸が形づくられ口火は既に切られたのだ
街は間もなく爆発するだろう 飢餓と失業のどん底に労働者は番犬や守衛の暴圧をけ飛ばして逆襲するだろう いつも俺達を売り飛ばした社会民主主義者の策動を叩きつける要求を闘いとる迄頑張り通すだろう
おお同志等よ いつか赤旗を声高くうたっているものよ また爆発した日の街を思っているもの その日の戦術を思いめぐらせているものよ そして白テロと反動の重圧の下に血の出るような非合法活動をつづけて来た各産別の同志等よ
暮れ行く街の夕景に雄々しく踏み出した俺達の第一歩――関東地協の確立と俺達のオヤジ日本共産党万歳を高らかに叫ぼうではないか
(『ナップ』一九三一年十月号に今村桓夫名で発表『今野大力・今村恒夫詩集』改訂版を底本)
了

底本:「日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)」新日本出版社
   1987(昭和62)年6月30日初版
底本の親本:「今野大力・今村恒夫詩集」新日本出版社
   1985(昭和60)年4月改訂版
初出:「ナップ」
   1931(昭和6)年10月号
※初出時の署名は「今村桓夫」です。
入力:坂本真一
校正:雪森
2014年5月14日作成
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