あらすじ
五月の陽光が貝殻の中に溜まっている。砂の枕が崩れ落ちると、少年は海の上にいる。傷ついた心臓は波にさらわれ、青色の絹の広大な野原を、昨日の玩具が動き回る。少年は、海と一体となり、過去と現在、そして未来へと漂っていく。
貝がらのなかに五月の陽がたまつてゐる

砂の枕がくづれると ぼくはもはや海の上へ

いたんだ心臓は波にさらはれ

青絹の野原をきのふの玩具がうごいてゆく
了

底本:「増補 森川義信詩集」国文社
   1991(平成3)年1月10日初版発行
初出:「LUNA 第12輯」LUNA編輯部
   1938(昭和13)年3月25日発行
※初出時の署名は「山川章」です。
入力:坂本真一
校正:フクポー
2018年6月27日作成
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