あらすじ
雪解けの季節、灰色に覆われた空の下、静寂の世界が広がります。うっすらと青みがかった密林の峰々が遠くに見え、街から立ち上る煙が重く空気を覆います。動かない自然の中に、わずかに風が流れ、雪解けの音が響き渡ります。静寂と春の息吹が交差する、静かで力強い詩です。ポチョ―ポチョ―ポチョ
解かれゆく雪の絶え間もなき
点滴……点滴……
三月の空 灰色に消された空
うす青く曇れるはかの密林の峯々
高きに登りて見渡す街の
煙の重さよ
耀きなく 動かぬ自然
ゆらめくは流れる微風
ゆるく……ゆるく……
打ちつけてはとけゆく風
はらめる風
了
底本:「今野大力作品集」新日本出版社
1995(平成7)年6月30日初版
初出:「旭川新聞」
1925(大正14)年3月30日
入力:坂本真一
校正:雪森
2015年1月16日作成
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