とにかく、日本語で哲学するといふことは常人には厄介千万なことのやうに思はれてゐるが、それは多くの日本の哲学者の罪である。さういふ点で、今度のデカルトの翻訳者たちは、いづれも日常の言葉と専門語との距離をできるだけ近づける才能と工夫に富んだ人々であることが、この企てを画期的なものにしてゐると思ふ。
底本:「岸田國士全集24」岩波書店
1991(平成3)年3月8日発行
底本の親本:「デカルト選集 内容見本」創元社
初出:「デカルト選集 内容見本」創元社
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年11月12日作成
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