あらすじ
ある夜、屋根の上には月から来た猫がいます。猫は屋根からしっぽを垂らし、遠くを見つめています。うろには月から来た鳥がいて、そこらじゅうに鳴き声を響かせます。そして、柵には月から来た人がいます。その人は柵からナイフを取り出し、何かをしようとしています。静かな夜空の下、月からの使者たちは、それぞれに奇妙な行動をとります。彼らの目的は何なのでしょうか。屋根にゐる。
屋根からしつぽをおつたてる。
月からきたとり、
うろにゐる。
うろからそちこちどなつてる。
月から来た人、
柵にゐる。
柵からナイフをぬいてゐる。
了
底本:「日本児童文学大系 第二八巻」ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「赤い鳥」赤い鳥社
1931(昭和6)年9月
初出:「赤い鳥」赤い鳥社
1931(昭和6)年9月
入力:菅野朋子
校正:noriko saito
2010年12月9日作成
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