あらすじ
石川啄木が自身の歌集「一握の砂」の広告で、その歌は、従来の短歌の読者層であった若者だけでなく、中年層にも広く訴えかけるものであると力強く訴えています。著者の激しい内面と、時代への痛切な叫びが、読者の心を揺さぶる作品であることを、広告を通して鮮やかに示しています。
 其身動く能はずして其心早く一切の束縛より放たれたる著者の痛苦の聲は是也。
 著者の歌は從来青年男女の間に限られたる明治新短歌の領域を擴張して廣く讀者を中年の人々に求む。
(明治44・1・1「秀才文壇」十一ノ一)

底本:「啄木全集 第十卷」岩波書店
   1961(昭和36)年8月10日新装第1刷発行
入力:蒋龍
校正:阿部哲也
2012年3月8日作成
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