あらすじ
故郷を離れ、都会で暮らす「私」は、叔母と伯父の家を訪ね、昔話を語り合います。懐かしい故郷の風景や、家族との思い出が、語り継がれる中で鮮やかに蘇り、胸に温かいものが込み上げてきます。時が経ち、故郷は遠い昔のことのように感じられるけれど、その記憶は「私」の心の奥底に深く刻まれているのです。
叔母に伯父
山の人々
尋ね来て
語り合う久方の話
さても又十年前の物語
内地のこと
その山その川その家すべて
今ならば夢か知らね
柿の木も桑の木も
背戸の林も表の山も
美しい思い出の国
母もまた我を背負いて
渡り来し松前のなぞえの山を
おぼろげに
おもい出でしか
語り明す夜はうれしも
了

底本:「今野大力作品集」新日本出版社
   1995(平成7)年6月30日初版
初出:「文芸通報」
   1922(大正11)年9月号
入力:坂本真一
校正:雪森
2015年2月20日作成
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