あらすじ
待ち焦がれる明日。それは、草の芽が顔を出す日、雨上がりに虹色の天の虫が飛び交う日、そして、さなぎが美しい蝶へと姿を変える日です。明日は、喜びと希望に満ち溢れ、すべてを包み込むように、静かに、そして力強く、私たちを待っています。
花園みたいにまつてゐる。
祭みたいにまつてゐる。
明日がみんなをまつてゐる。

草の芽
あめ牛、てんと虫。
明日はみんなをまつてゐる。

明日はさなぎがてふになる。
明日はつぼみが花になる。
明日は卵がひなになる。

明日はみんなをまつてゐる。
泉のやうにわいてゐる。
らんぷのやうにともつてる。

底本:「日本児童文学大系 第二八巻」ほるぷ出版
   1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「赤い鳥」赤い鳥社
   1932(昭和7)年10月
初出:「赤い鳥」赤い鳥社
   1932(昭和7)年10月
入力:菅野朋子
校正:noriko saito
2010年12月9日作成
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