あらすじ
赤いりんごを積んだ木箱の車が、子どもによってゆっくりと引かれていきます。道行く人々の視線を浴びながら、りんごは次々と売れていき、車は少しずつ軽くなっていくのです。やがて、最後のりんごも売れてしまい、子どもは空になった車を家へと運びます。静かに響く車の音と、心に残る風景は、どこか懐かしく、優しい気持ちにさせてくれます。のつてる車、
ころころいつた。
子供が押した。
(りんごが一かご
あちらで売れた。)
りんごが二かご
木箱の車、
ころころいつた。
子供が押した。
(りんごが一かご
こちらで売れた。)
りんごが一かご
のこつた車、
ころころいつた。
子供が押した。
(りんごが一かご
どこかで売れた。)
帰りは子供が
のつてる車、
ころころいつた、
お家の方へ。
了
底本:「日本児童文学大系 第二八巻」ほるぷ出版
1978(昭和53)年11月30日初刷発行
底本の親本:「チチノキ」
1932(昭和7)年11月
初出:「チチノキ」
1932(昭和7)年11月
入力:菅野朋子
校正:noriko saito
2011年1月4日作成
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