あらすじ
主人公は、父も兄も母も出て行ってしまったため、一人ぼっちで暮らしています。寂しさはありますが、それでも「本部の段々」で見張りをしながら、強く生きていくことを決意します。厳しい見張りをする主人公は、イの字やスの字のつく者、そして、しっぽを見つけて馬乗りになる犬さえも、見逃すつもりはありません。
父(ちやん)もやられた
兄(あん)ちやんも
おつ母(か)も出(で)たきり
もどりやせん

四つ五つ
寝(ね)るまでは
晝(ひる)もとなりで
遊(あそ)んだが

なれりやどこだつて
おら平氣(へいき)
本部(ほんぶ)の段々(だん/\)で
見張(みは)りだぞ

イの字(じ)のつくやつ
やつて來(こ)い
スの字(じ)のつくやつ
やつて來(こ)い

おいらの見張(みは)りは
きびしいぞ
しつぽを見(み)つけて
馬乘(うまの)りだ

ワンと吠(ほ)え、ワンと吠(ほ)え
こら犬(いぬ)め
おれさま、よく見(み)ろ
よく拜(おが)め
了

底本:「小さい同志」名著復刻 日本児童文学館 第二集 23、ほるぷ出版
   1978(昭和53)年10月1日発行
底本の親本:「小さい同志」自由社
   1931(昭和6)年7月25日発行
入力:蒋龍
校正:染川隆俊
2011年1月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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