先達てイロハ丸紀州軍艦の為めに衝突被致、遂及沈没候儀に付、薩州五代才助、紀の内意により度々後藤象次郎へ(あやまり)出、何分対薩州止訳に相成、一先(ひとまず)五代之申条に任せ候処、今日紀の官長、後藤へ罷越、重々誤入候趣申に付、許し遣し候。尤、船貨公物並に水夫旅人手廻之品に到る迄、一切償金相立候(さだめ)に候。此条、官長より被申聞候間、御掛合申上候。以上。
五月廿九日
才谷梅太郎
小谷耕蔵殿
渡辺剛八殿

底本:「龍馬の手紙」宮地佐一郎、講談社学術文庫、講談社
   2003(平成15)年12月10日第1刷発行
   2008(平成20)年9月19日第7刷発行
※底本本文の末尾に、(海援隊文書)とあります。
※丸括弧付きの語句は、底本編集時に付け加えられたものです。
入力:Yanajin33
校正:Hanren
2010年8月26日作成
2011年6月17日修正
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