今年発表した作品のうちでは次の三篇に幾分の好意を感ずる。小林君と河上君の言葉を覚へてゐる。
ラガド大学参観記
吊籠と月光と
歌へる日まで(西部劇通信、アウエルバツハの歌)
 以上は相通ずる意味を持つものであり、またその他単独のものを幾つか発表したが、特に好き嫌ひを区別することは困難である。

底本:「牧野信一全集第四巻」筑摩書房
   2002(平成14)年6月20日初版第1刷
底本の親本:「作品 第一巻第八号(十二月号)」作品社
   1930(昭和5)年12月1日発行
初出:「作品 第一巻第八号(十二月号)」作品社
   1930(昭和5)年12月1日発行
※底本編集時に付されたと思われる、表題冒頭の「●」は省きました。
※「今年発表した一ばん好きな自作について」と題したアンケートへの、回答です。
入力:宮元淳一
校正:門田裕志
2011年8月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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