あらすじ
彼女は「夢」を飾り、宝を手にする世の中を嘆き悲しみます。愛や喜びも、全ては儚く、腐り果てる運命にあると。そして、男子に憑りつく風病のように、心には「ねたみ」が芽生えていくのです。
つぶやきぬ。
『ああうたて「夢」を飾りし世の宝(たから)
手玉も、花も薫陸(くんろく)も
有りのことごと朽ちはてぬ、
あはれ死なまし。』

またうめく。
『ああうたて、恋も、まことも、愛楽も
蒼蠅(さばへ)羽(は)ならし飛びめぐる
腐肉(ふにく)にまとふ温気(うんき)のみ。』
ほと息づかひ。

けしきばみ、
『男子(おのこ)とはたをやの髪の一一に
憑(よ)りては移る風病(ふうびやう)ぞ。』
つと見ゆ、青きまなじりの
さびしき『ねたみ。』
了

底本:「沖縄文学全集 第1巻 詩」国書刊行会
   1991(平成3)年6月6日第1刷
入力:坂本真一
校正:フクポー
2019年2月22日作成
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